いつもロクロを使って植木鉢や器を制作しているのでどうしても丸い形状のものが出来ます。たまには別の形状も作ってみたいので、今回は五角形植木鉢にチャレンジ。完成すれば植木鉢のレパートリーが増えますね!作り方はタタラ作りで進めます。角ばった植木鉢はかっこよさもありますね!別記事:小さな円形植木鉢作りのお話
今回作りたいのは正五角形。それぞれの角度を統一しなければなりません。四角形であればそれぞれを直角にすればいいので比較的難易度は低いですが五角形以上となればやや難易度が上がっていきます。※我流です
図面作り
デジタル技術を拝借して容易に多角形が描けるので図面を作っていきます。今回使用するソフトはマイクロソフト社のプレゼンテーションソフト「PowerPoint」です。Googleが無料で提供しているスライドでも可能でしょうし、ExcelやWordでも行けると思います。
白紙のPowerPointを開き、①挿入②図形③基本図形で五角形を選んでいきます。別の多角形を作りたい場合でも手順は同じで必要な図形を選びます。
パソコンであればshiftキーを押しながら図面を展開し広げると縦横均等な正五角形が挿入できます。次にサイズを調整します。図形の書式設定を開きサイズの項目へ行きお好みのサイズに変更できます。この時に縦横比を固定するにチェックや設定を忘れずに。
図形挿入手順に戻り、次は台形を挿入していきます。五角形と台形を並べてみました↓
これを印刷し、この通りに粘土をカットすればきれいな五角形の植木鉢が作れるという作戦です。台形部分は側面になります。
※粘土は乾燥・焼きの工程で水分が抜けて収縮するので作りたい大きさよりやや大きく見積もっとくといいかもしれません。
※後々、この時点での改善点が見つかります・・・。まだこの時点では気が付いていません(笑)問題発生です。
図面から型作り
ただこれはあくまで図面、印刷したものは紙ですので水分を含んでいる粘土に当てて使用するとシワシワになります。そこで水に強い材質で型を作ります。
まずは印刷した図形を切り抜きます。
プラバン、発泡スチロール、牛乳パック等何でもいいですが自分は塩ビシートを使用。先ほど印刷した図面を切れにハサミで切り取り、塩ビタイルに印を付けていきます。そして奇麗に切り取り型の完成です。
これで粘土の水気に負けずに五角形に粘土をカットできる型の完成です!
タタラ作り
粘土を麺棒で押し広げていきます。この時は出来るだけ均等な厚さになるように心がけます。この時に細い板を用意すると麺棒で均一な厚さに粘土を伸ばせます。板の厚み=粘土の厚み
余談ですが麺棒として使っているこの棒は一般家庭で使われる階段の手すりです。建築現場で切り落としたものを貰ってきました。
画像のように薄い板で厚さ調整すると麺棒で延ばしたときに奇麗な板状になっていきます。
板状の粘土が出来たら、次は型に沿ってカットしていきます。このカットの時ですが水分が多く柔らかい粘土より少し水分が抜け固くなり始めた頃が自分的には扱いやすいです。なので延ばした粘土を少し放置してコーヒーブレイクでも取りましょう♪当然ですが五角形一つに対し、側面になる台形は5個必要になります。
柔らかい粘土が固く感じるようになったらカット開始!
立ち上げ・接着
そしてお次はドッキングです。五角形と台形組み立てていきますがその前に接着面を軽く湿らして歯ブラシで擦ります。こうすることで粘土が溶けて接着材代わりになります。「どべ」と呼ばれる粘土の接着剤ですね。
台形の粘土が立体的に立ち上がっていきます。カット前に軽く乾燥させ固くすると言ったのにはこの立ち上げ作業で粘土が自重で垂れないようにするためでもあります。
しかし、ここで問題発覚!
なんと5枚の側面がはまり切りません・・・。設計段階でのミスです。台形の部品(側面部)を作る際、底面(五角形)との接地面は調整しサイズ合わせしましたが台形同士の接着サイズがミス。立ち上げた時の角度でお互い干渉しあうサイズでした・・・。
もう少し長方形よりにすべきでした。仕方ないのでデザインナイフで削りつつ何とか収まるようにサイズダウン。同時に接合部分の粘土の面取りをしました。
ご覧ください・・・。この歪な五角形を(泣)
削ったり無理やり接着したので隙間だらけです。そこで次は隙間を粘土で埋めていきます。
粘土パテ作業開始!
ひたすらパテ作業です。まず内側をしっかりパテ詰めし、外側からも同じようにパテ詰め。細い竹べらを駆使ししっかり隙間に詰め込みます。
高台取り付け
高台も同様に板状の粘土をお好みのサイズにカットしどべで接着していきます。五角形の植木鉢のため5個の高台を取り付けます。
五角形や台形を切り出した際に出た切れ端を高台に採用。均等なサイズでカットし取り付けていきます。
水で湿らし溶かした粘土で簡単に固定できます。
水抜き穴
デザインナイフで少しずつ切り込みを入れて水抜き穴を作っていきます。
これでひとまずは完了。あとは完全に乾燥させ、素焼き、本焼きの工程を乗り越えると完成です!今回はパテ詰めして隙間を埋めたので削り作業が忙しくなりそうですね(汗)
今回はここまで