実験です!夏の自由研究っぽい事をします。
今回は、ビオトープのお掃除屋として有名な「ヒメタニシ」を使った水浄化テストです。ビオトープに入れる生体で検索するとほぼ100%出てくるヒメタニシ。目立たずにメイン生体のメダカなどの邪魔をしない生体です。そんなヒメタニシをビオトープや水槽に多いはず、そしてその理由が「コケ取り」や「食べ残し対策」、そして今回の重要なテーマである「水質浄化」。ヒメタニシについて検索すれば水質浄化についての情報が山ほど出てくると思います。
その有名な水質浄化は知識としては知ってても実際のところ・・・どうなの?という疑問から実験をしてみます。ビオトープで既にヒメタニシは飼育してますがそのほかにもソイルや水草を入れていたり。生体としてはメダカやミナミヌマエビなど様々な物がビオトープ内に存在するのでヒメタニシがどれだけ水質を変化させるのか分かりずらい状態です。なので完全にヒメタニシのみの環境を作り観察してみたいと思います。
姫タニシ(ヒメタニシ)って
今回の主人公であるヒメタニシについて軽く説明です。日本に幅広く生息している巻貝なのでビオトープに最適な貝。
貝殻の色は茶色や灰色などあまり目立たない色合い。食性は雑食性なので他の生体の食べ残しやコケを食べてくれる。また濾過摂食という能力で水中から植物プランクトンなどを食べる。卵胎生なので稚貝を産む。卵は作らない。
実験&観察
準備する物
- グリーンウォーター
ベランダに置いてあるビオトープから採取
- 透明な容器2つ
比較実験用、ヒメタニシ有無で分けるため
- タイムラプスカメラ
なくても良い、時間経過でどのくらい水に変化があるか記録用
- ヒメタニシ
これが居ないと始まらないよね笑
これが今回、頑張ってもらうヒメタニシ達です。ビオトープ内から見つけ出しました。
実験方法
現在、ベランダに置いてあるビオトープからグリーンウォーターを採取しヒメタニシによって綺麗な水になるのか時間経過後確認。
2つの透明容器にそれぞれグリーンウォーター500ml注ぐ。さらにカルキを抜いた水道水800mlを加えた合計1300mlを準備。両容器のグリーンウォーターの濃さが同等か一応確認しておく。
グリーンウォーターが時間経過とともに薄くならないか確認のため、ヒメタニシを入れない容器と入れた容器で比較実験をする。もしヒメタニシを入れてない容器が時間経過と共に綺麗になるならヒメタニシの水質浄化能力が観察失敗に終わる。
観察記録用としてタイムラプス撮影(インターバル撮影)を開始。20分毎に撮影間隔。
一晩、もしくは明らかに水質変化が見られた時に観察は終了予定。
実験開始
これが用意した二つのグリーンウォーター(ヒメタニシ有と無し)。左側の容器にヒメタニシを8匹投入。朝10時(正確には9時57分)実験スタート。両方とも濁った状態です。ちなみに実験過程を記録に残すためタイムラプス撮影カメラで上から記録していきます。こちらがその時の様子。(姫スイレンの開花を撮影しようと思って買ったカメラ)
どちらも同じ濃さなのが確認できる。どれだけ透明度が増したか分かりやすいように容器の下に「BonGreen」と書いた紙を置いておく。
上から見ると全くBonGreenの文字は見えない。ひっくり返ってしまったヒメタニシは向きを整えて撮影開始!
実験結果
一言で言うとヒメタニシ凄い!約1時間経過で効果が表れました。
しかし、まだ若干ではあるものの濁っています。もうしばらく観察を続けます。
約2時間後の容器上からの撮影。BonGreenの文字がうっすらですが認識できます。一方、右側のヒメタニシがいない容器は特に変化はありません。さらに観察を続けます。
約4時間経過。さらに透明度が増し、BonGreenの文字が鮮明に見えるのが分かります。
そして6時間が経過、横からの撮影したものがこちらです↓
ほぼ透明と言っていいほどの状態です。右の容器(ヒメタニシ無し)は相変わらずのグリーンウォーターのままでかなり違いが出てきました。その後、7時間後まで観察をし、さらに透明度は増したが、記録上ではカメラの画質であまり変化が確認できなかった。
7時間後の上部からの撮影。はっきりとBonGreenの文字が見える。定期的に観察してたが5時間後にはほぼ透明状態で以降はあまり変化が分かりにくい。なのでここで実験は終了とする。
やはりヒメタニシの水質浄化能力は本物でした!こうしてしっかり自分の目で確認すると信じられます。そして濾過摂食によって出された糞が底に溜まってますね!これが水中を漂っていたグリーンウォーターの成れの果て。グリーンウォーターの正体である植物プランクトンが集められ排出された物です。かなりフワフワとしており少し振動を与えただけで浮遊しました。
タイムラプス撮影(インターバル撮影)
今回が初撮影でしたのでうまく記録に残せるのか分かりませんでしたが、しっかり記録で来ていたのでホッとしました。
タイムラプス撮影の間隔を20分に1回の撮影に設定。つまり1時間で3枚記録していくことが可能です。
ただ結果論ですが、ここまでヒメタニシのグリーンウォーター浄化が早く進むなら5分毎や10分毎の撮影の方が良かったですね。
今回使用した観察カメラですが、値段の割にかなり優秀ですね。夜間は自動で赤外線撮影に切り替わりますし、防水防塵機能も備わっているので多少荒い環境でも撮影可能。今回使ったタイムラプス撮影(インターバル撮影)も間隔設定も可能で非常に観察にもってこい。
サブブログにてこのカメラについて記事を書いてます
補足
水質浄化能力といっても全てを浄化するほど都合のいいヒメタニシではありません。水質という言葉がどこまでの意味なのかはしっかり押さえた方がいいでしょう。今回は濾過摂食を利用した水質浄化なのでグリーンウォーターの原因である植物プランクトン対策として有効な手段です。
濾過摂食はあくまで水中のプランクトンなどを捕食する事で、水の透明度が上がっているだけです。ビオトープや水槽でよく問題になるアンモニアや硝酸、亜硝酸など有害な物質を取り除く能力ではないです。アンモニアや硝酸、亜硝酸を浄化したければバクテリアの出番ですね。
感想
久しぶりに夏の自由研究っぽいことをしました。小学校以来ですかね?約7時間におよぶグリーンウォーターの浄化実験ですが、しっかりヒメタニシが役立っていることが分かりました。比較実験をしてよかったと思います。次はシジミやその他の水質浄化能力を持つ生体で比較実験をしてみたいと思いました。またヒメタニシは水槽内のコケ・藻対策としても役割を持っているのでコケや藻の除去観察も面白そうですね!
ビオトープの掃除をした時の話↓
スイレンの開花の様子↓