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【陶芸タタラ】小さな長方形植木鉢作り!ミニ盆栽へまた一歩。

素焼き後の盆栽鉢 植木鉢作り

陶芸で植木鉢作りを勉強中のHamakenです。前回、タタラ製法で五角形植木鉢にチャレンジした結果、歪な五角形植木鉢を作ってしまいました。やはり、四角形より多い角は難易度が高かったです。まだまだ技術や経験不足…。そこで今回は四角形の植木鉢にチャレンジします。

ただし正四角形ではなく長方形状のものが欲しいのでイメトレから始めます。はたして前回のように不揃いの植木鉢が出来るのか、それとも綺麗な植木鉢ができるのか、焼き上がりまでのお楽しみ。

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タタラ作りとは

板状に延ばした粘土「たたら」

タタラ作りは、薄く延ばした板状の粘土から作品を作る技法です。タタラ板と呼ばれる道具を使い、粘土を同じ厚みにスライスしていきます。

タタラ作りは、陶芸の中でも最も面白くてクリエイティブな技法であり、最も難しい技法です。なぜならタタラ作りは、個性を表現する最高の方法でもあるから作家の想像力とセンスが試されるからです。(諸説あり)

板状の粘土「タタラ」の用意

タタラ板の準備】最終的にはやや失敗した前回のタタラ作りですが、設計図を作る所は同じように進めていきます。

今回は四角形なのでパーツの数も形状もシンプルで用意しやすいですね。板状の組み立てパーツが準備できたら少し水分を飛ばしていきます。急ぎの場合はドライヤーで水分を飛ばす事もしますが今回は急がず焦らず。大きなビニールなどで包み、少し時間を置きます。粘土や空気の乾燥具合によりますが自分の場合、半日程度放置すれば程よく水分が抜けて粘土が固くなり始めていました。乾燥は袋の密封具合で調節しましょう。この時に木板で挟みこんでおくと乾燥による反り上がりを防ぐ事が出来ます。

切り出す際に出た端材も同じように乾燥させ、一緒に残しておきましょう。自己流ですが後々に使います。

タタラ 組み立て

組み立てる粘土
組み立てる粘土の展開図

パーツを組み間違いが起こらないように、並べます。

側面パーツ、底面パーツをしっかり確認したらいよいよ組立て開始です。固まりかけた粘土は接着力は皆無なので、パーツ接着箇所を濡らしたブラシで擦ります。すると粘土が溶け出してきますがこれが陶芸の接着剤になります。この泥の事を「どべ」と言ったりします。溶け出した粘土は乾燥が早いのですぐにパーツ同士を押し付けます。少しの間押さえておくと粘土が固まり接着は完了です。

溶かした粘土で接着している粘土板
湿らすと粘土が溶け出し接着剤代わりに

後はひたすらブラシで溶かして接着の繰り返しです!!

隙間の処理 パテ埋め

しっかり計算して切り出した粘土でしたが、微妙に寸法が違うことは陶芸初心者あるある。組立てた植木鉢はこの寸法の微妙なズレにより隙間が発生します。この隙間を目立たなくしたり埋めたりと処理をしていきます。

小さな隙間や接着部分の目立ち処理

接着の時に使ったブラシや布、スポンジなどを湿らして擦ると、溶け出した粘土が隙間や接合部分のわずかなズレをボカすことができます。

大きな隙間や欠けの処理

タタラ準備中にでた端材をここで使います。隙間を塞げるようなサイズの物を端材からデザインナイフで削り出します。隙間にはめ込みブラシや布、スポンジなどを湿らして擦ると隙間が削り出した端材と接着し、同化していきます。パテ埋めのような感覚です。

この時に、同じように乾燥させた端材粘土を使わずに新しい粘土でパテ埋めしてしまうと乾燥時の収縮でひび割れを起こします(自己流での経験上)

植木鉢らしく加工

穴あけ

植木鉢に必要な水抜き穴を開ける工程
お好みのサイズのパイプを使って水抜き穴を開ける

この工程は、乾燥しすぎると固くなりすぎて穴を開けるのに苦労しますので組立て時にやっていてもOK。粘土が柔らかいとバリが残ったりしますが削れば問題なしです。植木鉢のサイズによって穴の数を決めていきます。今回は長方形なので2つの穴を開けました。道具ならポンスを使うと簡単です。

次にミニ盆栽を作る上で大事な針金を通す穴を開けていきます。ミニ植木鉢に入れる植物は、根を生育可能なギリギリまで根を剪定して植えることが多々あります。なので植物は自分の体を根で支えることが出来ません。そこで代わりに体を支え植木鉢と固定する役割が針金になります。

小さな穴を数点開けたら完了!

小さな植木鉢に実際に植えるお話

高台

植木鉢用の高台
今回採用した高台。たたらの端材を活用

高台とは植木鉢や陶器、食器などの底に付けられている凹凸状の部分です。様々な形状の高台がありますね。器や植木場の底面を覗いてみてください。作品を置いた時に設置する箇所が高台です。

高台には様々な役割がありますが、植木鉢にとっての高台はズバリ「水はけ」や「通気性」のためだと思っています。高台がないと植木鉢底面と地面が密着した状態になります。せっかく水抜き穴があってもその状態では水はけが悪くなります。また接地してあるので植木鉢底面の通気性が悪化してカビが発生したり、また地面の温度を直接伝えてしまうので植物にダメージがいきます。

もちろん植物によっては高台不要なものもあると思います。そのあたりはせっかくの自作植木鉢なので自分に合うようにカスタマイズしていけばいいと思います。

植木鉢の裏底に高台を接着
遊び心が発動し高台を多めに取り付ける

高台も端材を適量カットして使っていきます。四つ足の高台が一般的かと思いますが、遊び心で八つ足高台にしました。

その他 加工・微調整

植木鉢の上部に装飾
組み立てた断面を隠すためにカバーを取り付ける

植木鉢上部が物足りなかったので、これまた端材で装飾していきます。

これにより側面パーツ接着点の不陸が隠せました。あと少しは持ち上げやすくなりましたね笑

最後に自分の落款〈らっかん〉を付けて完成です。この工程で改良点が見つかりました。粘土が硬化する前に落款印で押しておくと奇麗に出来ると思います。落款印は「ハマケン」。本当はアルファベット表記で「BonGreen」と刻みたかったのですが、文字数が多くなるため、小型作品に向きません。

裏面に落款を刻む様子
落款「ハマケン」を刻み形成は完了

完全乾燥とヤスリ調整

隙間処理や高台作りが完了すれば後はしっかり水分が飛ぶまで自然乾燥させます。仕事やプライベートで忙しかったため数日放置。時間を見つけて再び作業開始です。

湿らしたブラシや布でボカした箇所などを入念に確認していきましょう。パーツの接着不良やひび割れ、パテの剥がれがないか目視です。その後、軽く紙やすりで表面を擦り平滑化させていきます。この作業は本当に軽くで大丈夫です。(自己流)

素焼き後 

電気窯へ入れて、600℃に設定!あとは何もすることはありません!停電が起きないことを祈るくらいです。ここからの電気窯で焼く過程はこちらの記事とほぼ変わらないので詳細はこちら

素焼き後の植木鉢
素焼き後きれいな白土色に仕上がりました。

びっくりするくらい色が変化しました。やはり白土は美しいですね。今まではグレー土で植木鉢を制作していました。ひび割れも確認されず、とりあえず無事焼きあがりました。

そしてこちらが裏面です。やや歪みが発生していますがこれは味ということで・・・。

素焼き後の植木鉢

あとは表面を耐水ペーパーで研磨して微調整しようと思っています。その後はいよいよ「釉薬」の出番です!まだどんな釉薬をつけるか決めていません。じっくり考えていきたいと思います。また完成すればここで報告します。

他にもたくさんブログを書いています。ぜひ見てね【記事一覧へ

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